映画 さがす   感想 

私、清水尋也さんのファンであり、たまたまTwitterで流れてきた映画の感想が良さそうだったということで行ってきました。ネタバレしないと何も書けないのでネタバレありの感想を書いていきます。

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、、、というか、Twitterの感想が私が感じたこととはあまりに違っていたのでその点踏まえての、いや、違うだろ!ポイントを書いていきます。

まず、最初に目についた感想が「娘がいいこすぎる」だったんですよね。悪い父親と悪い娘の話が見たかったのに、こういう環境ではこんな良い子は育たない、みたいな。健気に父親を探したり、最後には父親に「迎えにきたで」って言ったり。    いやあ、違うでしょう。先生の時間を奪って父親探しをして、申し訳なさそうにする感じもないしいちご味のゼリーを譲らない(というか先生のうちに上がり込んでる)、孤児院の人に唾を吐き、ボーイフレンドには胸を見せて協力させる。そして最後のパトカーのサイレンに対する「迎えにきたで」。あれ、呼んでないですよね。パトカーのサイレンに対して「迎えにきたで」っていうのは関西人なら典型の冗談であって、しかもサイレンが聞こえてから一向に到着しない。それどころか遠ざかっている。あのパトカーは関係ないんですよ。これからもあの親子は、妻が首を吊って、娘がおっぱいを見せて、それを父親が見た、そして懸賞金の300万で再開させたあの汚い卓球場で思い出を増やしていくんです。やっと掴んだ幸せな時間が娘の「健気さ」で正しくも悲しい結末になる(娘の通報で父親が捕まる)という構図ではなくて、元から汚い卓球場なんです。娘もいろんなことに気づいて、それでも利己的に生きていこうとしている。この作品、「正しさを問う」ような話ではないように思いました。

 

そして感想を調べたら多かったのが実際に起きた事件が盛り込まれていてあざとい、とかそれに対する考え、問題提起が薄いと言った感想。これも私にはしっくりこない。だって、清水尋也はオナニーしてるもん。この一言で片付けられる。「心の底から生きたいと願う人間と周りから無理やり生かされている人間がいる」「殺人ではなく救済」「世の中には死にたがっている人がたくさんいる」こういうふうに山内は原田を説得していました。この発言も実際あった事件を彷彿とさせます。この発言、思想が正しいのか観客に考えさせるにしてはテーマが浅いと批判している方もいたのですが、私は監督はそんなことどうでも良かったんじゃないかなあと思います。山内はただ殺人がしたくて、あの発言は本心からではない。だって変態ジジイで抜く変態だから。本当に製作側が安楽死の是非について考えさせたいなら、原田公子にあの靴下を履かせるシーンはいらないと思います。山内は、本当に死にたがっているやつ見たことないと言ってましたし。山内の発言は製作側の思想とは思わないほうがいいと私は思います、原田智の妻に対する言動は、また違いますけどね。

この映画はかなりエンタメ要素が強いです。観客に色々考えさせる小難しい映画ではなくて、このシーンみて!このトリックすごくね!?という気持ちで作ったんじゃないかなあとか思いました。また詳しい感想、後ほど。